別府医療センターに新病棟
独立行政法人国立病院機構別府医療センター(別府市亀川内竈)に7日、新病棟が完成し、内覧会を開催して約200人の医療関係者、地域住民が訪れ施設を見学、周囲の期待の高さを物語った。
亀川海軍病院として大正14(1925)年に創設されて以来「亀川国立」の愛称で親しまれ、頼られ、別府の医療現場の最前線で従事してきた病院だけに、これからの展望や新病棟について武藤庸一院長に聞いた。
「新病棟の設立に至った経緯は、老朽化や病棟・手術室の建替えなど課題解決のほか、全国にある独立行政法人国立病院機構の基本理念『良質な医療をよい療養環境で提供する』『患者中心の医療を行う』に沿った、治療に専念できる質の高い医療環境の提供にあります」
平成19年度から工事は始まり、敷地面積約11万平方㍍の中、建物延床面積1万6千平方㍍、2棟ともに5階建て、鉄筋コンクリートで完全耐震設計の施設が完成した。
1階に手術室7室、救急医療に向けた特定集中治療室(ICU)4床と腎不全などの人工透析に対応する血液浄化センターを8床、2階には未熟児診療が可能な新生児特定集中治療室(NICU)3床を配備。また2階から5階まで一般病床を450床、多床室4床、個室91室を収容する。
「患者の目線に立った医療と地域完結型の医療を目指し『地域医療支援病院』として『かかりつけ医』との連携を推進していきます」
同センターは県内4つある「地域医療支援病院」の認定を受けた1つで、地域内の「かかりつけ医」と連携をとり、高額医療機器や病床・手術室の共同利用、医療水準を向上する目的の研修実施や救急医療の提供といった体制を整えてきた。
地域医療連携のために専任スタッフ4人を配した「地域医療連携室」を設け、患者の紹介・受入れから、待ち時間を短縮する診療予約受付け、主治医以外の専門医への検査・治療の相談(セカンドオピニオン)など、地域医療水準と患者へのサービスの向上に努めている。
研修にも力を入れ、敷地内に「地域医療研修センター」「教育研修棟」を設け、毎月のように市民向け健康講座や講演会、勉強会、研究会を開催。医療関係者をはじめ地域住民にも「開かれた医療」を提供する。
「救急治療には専門医と設備を配して取り組んでいます。がん治療では血液疾患を除いた、ほとんどの治療に対応、緩和ケアチームを設けての緩和医療にも力を入れています。他にもハイリスクな出産にも対応する周産期医療の充実など、緊急時の対応はもちろん、専門的な検査・治療を提供していきます」
大分県が医療法改定に伴い今年4月計画した「大分県医療計画」の中で「地域がん診療連携拠点病院」「地域小児科センター」と、脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病の急性期治療を担う機関の指定も受けている。
症状に応じて地域の各病院・医院に加え、大分大学医学部附属病院と連携をとりながら、専門治療を行う拠点病院として一翼を担う。
「専門治療を提供すると同時に、臨床研究にも力を入れ、医療の発展と教育にも取り組んでいます」
今年4月に専門医を迎え、患者に対し触診から血液検査、心電図や超音波検査などさまざまな検査を行い、病気の状態を細やかに診断する「臨床検査部」と「病理診断科」を新設。診断報告書を基に詳しい説明を受けることができ、糖尿病などの生活習慣病の発見、治療にも有効。
と同時に、これまで院内で行ってきた臨床研究活動を「臨床研究部」としても開設。臨床研究をはじめ教育や研修にも余念がない。
教育に関しては『附属大分中央看護学校』を併設し、毎年優秀な看護師を社会に送り出すとともに、医師の初期臨床研修を担う「臨床研修病院」としての役割を果たしている。
「今後とも当院の基本理念の実現を目指し、地域の中核病院として地域の皆さまに安全で質の高い医療を提供できるよう努めていきます」と決意を新たにした。



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