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No1012 鉄輪物語

写真好きだった父
萬屋旅館薬局の開業は明治10年頃

0720o1k  彩子の夫は愛媛県内子町出身の栗田元弘(大正7年―平成19年)で大の写真好き。中央の写真コンテストの常連で賞金稼ぎと言われたほどだった。現在の楠書房の近くにあった後藤カメラに常に出入りしていたという。
 もともと日商(日商岩井の前身)に勤務し夫婦で大阪にいたが、シンガポール赴任を命じられたのを機に退職して、鉄輪に戻り旅館を継いだ。
 掲載した写真は昭和26年、後藤カメラなどが主催して著名な写真家木村伊兵衛氏を招いた座談会の記念撮影。会場の日名子旅館前で撮っている。
0720o2  なお栗田家は楠木正成の子孫で、家紋はやはり「菊水」。家系を隠すために姓を「南」(楠から木へんを除いた)としたが、それでもばれることを恐れ「栗田」に改めたというエピソードが伝わっている。
  ◇  ◇  ◇  
 ところで萬屋旅館は昭和40年代に改築したが、思うように客が増えず経営に行き詰まって手放すことになった。
0720o432  一方、旅館の角で営業していた薬局だけは残り、現在も息子の原敏久さん(61)が場所を移してよろずや薬局を経営している。
0720o2_2  薬局の創業は明治10年頃。今も保管されている古い販売許可証9枚は、明治31年12月26日の日付で、薬の名前と大分県速見郡役所の名前が書かれている。裏面には、高知、愛媛、宮崎県などの「売薬営業人」の名前とともに、「請売営業人」として原さんの曾祖父の名前(原正六、大分県速見郡朝日村九十三番地)が入っていて、長い歴史を物語っている。
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○萬屋旅館は今回で終わり、次回から辰巳屋旅館を紹介します。


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