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No1544

多数の武士らが湯治
81年前の今日新聞温泉物語より大樹の根元から湧いた楠温泉

0823o2  昭和6年9月20日今日新聞「市有温泉物語」の4回目は、大きなクスノキの根元から湧き出ることでその名前が付いた楠温泉。
 のち維新の元勲と称えられた井上馨侯が幕末、若松屋旅館の離れに隠れ住み楠温泉で傷を癒したというエピソードが有名だが、ほかにも同じような傷を負った武士たちが湯治に来ていたらしい。
  ◇  ◇  ◇  
0823o2_2  ――銀座流川通りを南に入る約半丁、ここは楠温泉である。この名称に依って連想させられるものは何か、それはその昔数百年を経たる楠の大樹のあったことであらう。古来その根元よりこんこんとして温泉が湧出するを以て楠湯なる名称が付けられたのだと。今尚その残株は現存してゐる。湯池は石を以て造り余流は溝渠を経て海に入るやうになってゐる。だから霊潮泉のやうに満潮時には潮水が押入って汚物などを洗って行くと云ふ他所の温泉にはちょっと例のない珍らしさがある。
 流川通りの若松屋旅館と共に楠湯の存在はあまりにも有名だ。維新当時の歴史をひもといて見ると時としてこの二対照を発見することが出来るであらう。一例を挙げれば「南洲伝」などに最もよく著はれてゐる。
 古老の話に依れば維新から明治初年にかけて所謂勤王佐幕の残留組の負傷者などがよく此の楠湯で湯治してゐたらしい。そして若松屋が主なる宿泊所となってゐた。その頃この湯は楠の根元に石畳を造り板屋根を以て僅かに雨露を凌いでゐたのだが悪瘡に特効ある当泉は古く以前から世に知られてゐた。(文の続きは次回)――

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