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2018年4月23日 (月)

内外情勢調査会大分支部4月懇談会

 在京の大手通信社、時事通信社(大室真生社長)が主催する、内外情勢調査会大分支部(支部長・広瀬勝貞大分県知事)の4月懇談会は20日午後、大分市のホテル日航大分オアシスタワーで開催。会員約7百人が出席した。同会は全国47都道府県にあり、各地の知事らが支部長をつとめる。毎月定例会を開き、今回は広瀬大分県知事が講師をつとめ、「加速前進 おおいた創生」と題して講演した。開会にあたり、東京から駆けつけた大室時事通信社長が「私は佐伯市の出身。本日は広瀬知事の講演ということで他都市では見られない程、こんなに多くの皆様にご出席いただきました。大分は国民文化祭、ラクビーW杯など次々と大型イベントが開催され、活気づいているところ。大分の地方創生に期待しています」とあいさつ。広瀬知事が登壇して出席者に大分版「地方創生論」を次のように展開した。

安心安全の大分県づくりのために

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 この3年間、大分県下は大型の災害に見舞われた。大分熊本地震から、豊後大野の地滑り、九州北部地区豪雨、台風18号、中津市耶馬渓町の山崩れ。まず亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈りします。
 県は被災地にスピーディーに対応し、市町村の支援から、復興へのアプローチをつづけているところ。各種災害に強い対応力に加え、将来予想される南海トラフ地震にも備える。県下の土砂崩れを警戒すべき地域は約2万カ所。現在1万2千カ所を調査、残り8千カ所は来年度末までに全て完了する。市町村に存在する古い家屋や建物への指導も強化。経済的支援も積極的に展開させていきたい。治山、治水事業の充実を図り、大分川流域の大分ダムを皮切りに竹田の玉来ダムの充実化。一方、佐伯市を中心とした県下の各沿岸地区における避難地の確保。大分市の臨海コンビナートの護岸。国東の干拓地再生などの見直しを進めている。
 災害といえば、最近では火山の噴火も大きな関心事。別府の鶴見岳、さらに九重、由布岳も注意を要するところ。災害対応能力を充実させて安心安全の大分を基盤として、大分版地方創生に移っていきたい。

少子高齢化現象、人口減の状況

 「地方創生」とは、地方にもう一度、昔の「元気」を取り戻すという事。少子高齢化が最大の課題。日本の人口は明治5年には3千4百万人。昭和20年の終戦直後は7千2百万人。昭和42年に1億を超え、平成22年の1億2千8百万人がピーク。27年には1億2千7百10万人と下降をたどる。これからの予想として西暦2053年には1億人を切り、2100年には6千万人。大分県は平成29年10月に115万1853人。対前年、7781人の減。2035年に百万人を切り、今世紀末には、46万人となる見通し。今後、日本が世界の中心で政治経済を展開させるには、今世紀末までに9千万から1億の人口を維持させ、大分県は百万人を確保して行かなければならない。29年の減少人口の75%にあたる5801人は自然減、25%にあたる1980人は社会環境の変化による流出減。厳しい現状を打破するには魅力あふれる地方創生にかかっている。人を大切にしてしっかり育てる。

広瀬県政が掲げる「日本一」シリーズ

 ▽子育て満足度日本一=若い世代の家庭では子どもの数が1世帯あたり2・23人、現実では子どもは3人は欲しいという希望がある。子育て世代に医療や教育などの経済支援を行う。現在、赤ちゃん1人の出生に対し1万円のクーポン券を贈っている。更に充実させていく。子育て環境の整備充実の一例として、放課後児童クラブや病気児童の保育整備の充実をめざす。待機児童については、昨年県下505人だったが、本年は20人弱と県下市町村の努力が大きい。また、子育て以前に出逢いから結婚に結びつけるトータルサポートセンターを設けた。
 ▽健康寿命日本一=県民総参加型の「健康寿命日本一県民会議」を平成28年に立ち上げた。厚生労働省の調べでは、本県は男性36位、女性12位となっている。寿命の延伸を2年間伸ばすことでベスト10に入る。
 ▽障がい者雇用日本一=大分県は全国的にみて第5位。少し努力不足を感じる。労働法の改正により4月から企業の従業員50人以上に2・5%の障がい者雇用が義務づけられた。大きな追い風となっている。今後も積極的に取り組んでいきたい。
 ▽義務教育の充実=子育て満足度にも関連する。知育、体育充実の教育環境を提供したい。しっかりとした人間性豊かな教育をめざす。平成19年にスタートした全国学力テストにおいて、29年は良い成績を収めた。小学校6年生では宇佐市、豊後高田市、日出町がトップレベル。豊後高田市、津久見市、臼杵市が頑張っている。中学3年生では姫島村、竹田市、九重町がトップレベル。杵築市、宇佐市、別府市が非常に良く頑張っている。
 最近では高校、大学の接続会議によって、入試のあり方について変革の時代に入ってきた。通学区制を廃止して、自分が希望する高校への進学が容易となった。高校普通科においては整備の遅れが指摘されている。改善すべき。また県下の私学について、学校運営の面でしっかり支援していきたい。人材教育においては公立に負けない独自の力がある。私学経営へのサポートを心がけていきたい。

全産業にかける収益性増大方針

 様々な社会環境の整備について、魅力的な仕事を持って来る企業誘致や、構造改革による生産性の向上により、定住人口の増加をめざす。たとえば農林水産部門において、全国の「米」生産コストは、50キロ当たり平均1万4千6百円。北海道は1万2千円、大分県は2万百円。農協は組織改革によりその役割りが様変わりした。県産米は特Aの評価。「ひとめぼれ」「ひのひかり」など美味しい米の評価を頂いた。宇佐市では集約化と機械化により9千円まで生産経費を圧縮できた。また、産品変更による収益の増大をめざす。県下の農水生産高は2250億円、早々に2500億円に持って行く。またその担い手だが、昨年402人が就労した。農水産部門が見直されている。産物のコストを1割下げる工夫をもって生産者就労者に還元する努力に期待したい。
 商工業界は99・9%が中小、小規模事業者。地域をけん引できる企業の育成支援をすすめる。昨年度企業の休廃止は333件。大半が後継者不足。日本経済の活力は中小、小規模事業者の力による。
 ▽創業支援=新規企業の支援事業は平成27年にスタートして昨年、日本一の増加率となった。昨年度374件の創業を支援して1万8千5百人の雇用を生んだ。企業誘致や創業支援は積極果敢に対応していきたい。
 ▽観光振興=平成29年の宿泊来県客は約7百万人、5年前は671万人、4・3%の伸び、平成29年海外から(インバウンド)132万人となり、3・2倍の増加。海外からの集客は大変重要な課題。また欧米は外国人観光客全体の2%。今秋から国民文化祭、来年のラクビーW杯において、大分県は首都圏以外で最多の5試合。各強豪国が宿泊やキャンプ地として大分県入りする。大きな盛り上りを見せている。さらに20年東京五輪とビッグイベントが目白押し。これを好機ととらえて「観光施策」に全力投球したい。

都市基盤確立のインフラ整備

 「仕事」を作り、「仕事」を呼び込む。「UIJ」ターン、平成29年1084人を迎えた。スタート時から4倍の伸び。就労、事業参入は人口増加のプロセス。必然的に各種のインフラ整備も必要となる。別府湾を基幹拠点とする海運、それに接続する陸運を総合的に進める。大分空港機能の充実を加え国際化の波にも対応できるものとする。中津、大分両港と一体で海運良港をめざす。中九州横断道、中津――日田――山口県へのルートの完成。大分――博多を31分で結ぶ東九州新幹線の早期実現など、山積する課題を確実にとらえ積極的に対応していきたい。

成功に導くための気概とは

 ラクビーの日本代表監督だったエディー・ジョーンズは「我々は『Cant do』で考えるのではなく、『Can do』を考える」――と言っている。何事においても「出来ない」のではなく「私たちは出来る!」と受け止め、実現するため、息長く、粘り強く取り組む気概を持ち、欠点を補う工夫をして、成功に導いていきたい。皆様方の更なるご理解とご協力をお願いし、皆さんとスクラムを組んで「地方創生」を前に進めていきましょう。――と結んだ。

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