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2018年9月22日 (土)

笑顔の抱擁に隠されたもの

 文在寅韓国大統領と金正恩朝鮮労働党総書記の第3回南北首脳会談は大成功―――と盛り上っている。誠に結構なことだ。
 南北首脳の共同宣言は、朝鮮半島の安定化と安全保障に向けたメッセージ。▽非核化の促進▽経済交流▽文化交流が主軸。南北融和の気運は新たな次元に進む。しかし両氏の「友情」が真に半島の平和、安全保障に資するものであるのか、我々にとっては安閑看過できるものでは決してない。
 北の国家的犯罪、テロ活動である、「拉致」問題の全面解決こそ、北の孤立からの脱却であり、平和安定を求める国家の姿を感じさせるものなのでは?
 40年前東北の漁村に生きる若い男女は、時折りのデートを楽しんだ。海辺に広がる砂浜の散策は、おたがいの愛を育む絶好の環境でもあった。ある日、男達から突然声をかけられ、目隠しと猿ぐつわ、手足を拘束されて、船舶へ。日本海を渡り、見た事も聞いた事も感じた事もない、世界の施設に放り込まれた。囚人同然の生活を強制される。気が付けば語学を含む日本文化を教える役になり、アメとムチの日々。下校中の女子生徒、買物帰りの主婦、会社から家路に急ぐサラリーマン、留学旅行先の土地で、あらゆる層の善良なる日本国民が被害者となった。気が遠くなる程の歳月を費やした。帰る場所はどこか、夢も希望もこれからの人生もすべて奪われた。なかには傷病を患い、帰らぬ人となった人達も。これが拉致の実体なのである。
 文氏、金氏の笑顔の握手の裏側には、人々の絶望と苦しみが存在する事を忘れてはならない。北は何の目的を持って罪なき人々の自由を奪いつづけたか。北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は1948(昭和23)年に建国。50(昭和25)年、独立国家の誕生を目指し、南(韓国)から2万人を目標に同邦の朝国人を拉致、国家を形成するため海外の知識層(インテリジェンス)の奪取をスタートした。1980年代初頭まで続く拉致被害者は、日本人の場合、警視庁の調べによると880人にのぼると推定される。建国の「礎」自体が外国人拉致によるもの。金日正氏の時代に始まった革命国家方針だから「悪いこと」「国家の罪」という意識は無い。1978(昭和53)年時点、北の拉致被害国は、日本、韓国、シンガポール、タイ、ルーマニア、レバノン、中国(マカオ)、マレーシアにのぼる。
 中東の国「レバノン」の女性4人が、日本企業の社員募集のトラップ(罠)により面接、北に拉致された。レバノン政府は即座に正式な外交ルートを通じて解放なき場合は、武力行使すると警告、この後4人は無事解放された。国家テロに屈せず、武力行使の覚悟をもって自国民の安全を確保した。あのレバノンがである。
 我が国憲法第9条を「平和憲法」と称する。国際紛争の解決手段としての武力行使と、陸海空軍事力、その他の戦力は保持しない。交戦権は認めない。―――とある。これは「平和」どころか「棄民憲法」。拉致は立派な戦争手段。文金両氏の抱擁が平和を希求する国の姿―――ふざけるな!拉致被害者が故郷に戻り、家族と抱き合う姿こそが、平和に向けた責任国家のあるべき最低限の意思表示である。我々は決して忘れる事はない。   (陽)

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