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2018年11月20日 (火)

風とともに去りぬ

 報酬を過少に報告した有価証券報告書の虚偽記載の疑いで、日産自動車のカルロス・ゴーン会長が逮捕された。収入百億円を50億円と誤魔化し、2011年から15年までの5年間が容疑の対象期間。
 ゴーン氏は1954年ブラジル生まれ、祖国は中東唯一のキリスト教国レバノン。旧仏領で、仏国立学校を卒業後大手タイヤメーカーミシュランに入社し、業績を評価され、有名自動車会社ルノーに入社。同社副社長を経て00年に日産社長に就任した。赤字経営の日産を3年で健全回復化し、経営のカリスマとしてもてはやされ、04年には藍綬褒章を受章した。
 経営の建て直しは、徹底した節約とリストラ。前途有為な若手社員も、技術のベテランも情容赦なかったという。
 報酬の過少申告程度なら追徴課税で済むはずだが、逮捕となれば、業務上横領や他の罪状が伺われる。
 大体、超一流企業であろうが、5年間で百億円の収入を認める事が日本の企業の風土に合うか。この状態を放置した日産全体の責任は重い。リストラという合理化?によって犠牲者を出しておきながら、1人の人間が一生かかっても使い切れない金を最高経営者だからといって「献上」するか。5年間で百億円の収入は日当にして約7百6十万円。企業収益を私くしさせた環境にも問題がある。過少申告分の50億円は普通乗用車3千3百3十3台分の売上につながる。この収益を雇用や社員の福利厚生、社会貢献に活かそうという思いはなかったか。
 監査体制や株主総会での意見具申はなかったのか。
 一頃は、救世主とおだてまくり、ドン突き当たって落ち目の三度笠。喜劇から悲劇への移行がまさに劇的。猛(たけ)き者も遂(つい)にはほろびぬ、ひとえに風の前の塵(ちり)に同じ。ゴーンが去った「ゴーン ウイズ ザ ウインド」=風とともに去りぬか。(陽)

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